唇と人中の傷跡、なぜ特に気になるのでしょうか
顔の中心にある唇と人中は、小さな傷でも傷跡が残りやすい部位です。「なぜこの部位だけ跡が長く残るのだろう」と疑問に思う方が多いですが、答えは部位自体の特性にあります。皮膚の動きが頻繁で再生速度が一定でないため、傷ができやすく、回復過程で赤い跡や白い跡、または盛り上がった形で残ることがあります。
特に唇の傷跡や人中の傷跡は視線が集まる場所にあるため、外見に対するストレスにつながりやすいです。そのため、初期に部位の特性を考慮した治療方針を立てることが何よりも重要です。
唇と人中に傷跡ができる原因
傷跡の出発点は人それぞれ異なります。診察室で見ると、似たような位置の傷跡でもできた経緯がそれぞれ異なる場合がほとんどです。代表的な原因をまとめると以下の通りです。
- 転倒、引っ掻き傷、火傷のような突然の外傷
- 口角形成や口唇口蓋裂手術などの手術後の癒着
- 皮膚炎、ヘルペス、水ぶくれの後に残る色素沈着
- 炎症が治まった後、回復が遅れてできる赤い跡や白い傷跡
これに加えて、肌質が弱かったり傷が深かったりした場合は、傷跡がよりはっきりと残ることもあります。唇と人中は動きが多く皮膚層が薄いため、傷跡が不均一になったり非対称に残ったりすることもあります。似たような悩みであれば、整形手術後の傷跡管理の情報も一緒に参考にすると役立ちます。

タイプ別に異なるレーザー治療の方向性
唇と人中にできた傷跡は、一つの方法で一括適用するよりも、タイプに合わせたアプローチが必要です。傷跡の色と形を基準に分けると、治療の方向性がより明確になります。

| 傷跡タイプ | 特徴 | 治療方向 |
|---|---|---|
| 赤い傷跡 | 傷跡初期のサイン、赤い跡と炎症性反応 | 血管レーザーで過剰な血管反応を抑制 |
| 白い傷跡 | 色素が抜け、真皮層の損傷が残った状態 | 高出力レーザーで真皮再生を誘導 |
| 盛り上がった傷跡 | 硬く隆起したケロイド、肥厚性瘢痕 | 傷跡注射とレーザーを併用 |
赤い傷跡、傷跡初期のサイン
傷跡初期に現れる赤い跡は、時間が経つにつれて色素沈着しやすく、この時期を逃すと形が厚くなり白く変色することもあります。この場合は、血管レーザーであるVビームプリマで過剰な血管反応を抑制し、炎症を鎮める方向でアプローチします。施術時間が短く、日常生活への復帰が比較的早い方で、赤い跡や炎症性反応がある初期の傷跡に適用します。赤みが目立つ場合は、赤いニキビ跡治療の原理も同様の文脈で参考にすることができます。
白い傷跡、真皮層の再生が必要な段階
時間が経って色素が抜けた白い傷跡は、皮膚の奥深くまで損傷が残っている状態です。この場合は、ウルトラパルスアンコールのような高出力CO₂レーザーで皮膚再生を誘導します。深い真皮層まで到達して再生を促す方法で、色素が消失した、または組織再建が必要な古い傷跡に適用します。
盛り上がった傷跡、レーザーと注射の併用
硬く隆起した傷跡(ケロイド、肥厚性瘢痕)は、単純な外見上の問題だけでなく再発のリスクがあるため、より慎重なアプローチが必要です。傷跡注射として知られるトリアムシノロン注射で傷跡組織を柔らかくし、ウルトラパルスアンコールレーザーを併用して傷跡組織の厚さと質感を共に改善します。
注射単独治療だけでは再発の可能性が報告されているため、レーザーを併用する方向が推奨されます。
このような隆起型傷跡は、まずケロイド傷跡の特性を理解し、傷跡注射治療とレーザーをどのように組み合わせるか、カウンセリングを通じて決めるのが良いでしょう。
ご不明な点は唇・人中の傷跡治療チャット相談でお問い合わせください
人中の傷跡と唇の傷跡治療が難しい理由
同じ傷跡でも唇と人中にできると、治療の難易度が上がります。その理由は、この部位が持つ3つの特性と関連しています。

第一に、動きが多い部位です。表情の変化、会話、食事などで唇周辺は一日に何十回も動くため、傷跡が定着しやすい環境にあります。

第二に、皮膚組織が薄いながらも丈夫です。人中は鼻と唇の境界で、皮膚が丈夫で再生力が遅い特性があり、治療の難易度が高いです。

第三に、形と対称性が重要な部位です。唇のライン(唇山)や人中の曲線は顔の中心の比率に影響を与えるため、微細な傷跡でも大きく見えることがあります。顔の中央に位置し、人の印象に大きな影響を与える場所でもあります。

治療前に覚えておくと良い点
部位の特性上、自己管理と治療のタイミングが結果に影響を与えます。以下の項目をチェックしておくと役立ちます。
- 傷跡は初期段階であるほど、色と形を整えやすい傾向があります
- 赤い傷跡、白い傷跡、隆起型はアプローチ方法が異なります
- 隆起型傷跡は、注射単独よりもレーザー併用が推奨されます
- 結果には個人差があるため、診断後に方向性を決定します
傷跡ができた原因は人それぞれ異なりますが、タイミングに合った正確な方法を定めて進めることで、問題が目立たず自然に改善される可能性があります。程度が深かったり組織再建が必要な場合は、外科的傷跡修復術を検討することもあります。

どのように始めれば良いでしょうか
唇の傷跡、人中の傷跡は部位の特性上、自己判断が難しいです。傷跡の色と形、深さによって適切な治療が異なるため、現在の状態を確認した上で方向性を決めるのが最も現実的な出発点です。

イ・サンジュ代表院長 (延世大学校医科大学・大学院医学博士、セブランス病院皮膚科専門医修了、大韓皮膚科学会会長) イ・サンジュ代表院長プロフィール 初回発行 2025-07-03 / 最終検討 2026-06-16
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、傷跡の状態と治療結果は個人によって異なる場合があります。正確な診断は医療スタッフとの相談を通じてご確認ください。
