治ったのに傷跡が盛り上がっているなら
傷が完全に治ったと思っても、皮膚が膨らんで硬く固まっている場合は、単純な傷跡ではない可能性があります。多くの方が最初に尋ねる質問は「これはただの傷跡なのか、それとももっと気を使うべき傷跡なのか」です。結論から言うと、境界を越えて広がり、かゆみや痛みを伴う傷跡であればケロイド瘢痕の可能性があり、傷の中でだけ厚くなっているのであれば肥厚性瘢痕に近いと言えます。
ケロイドと肥厚性瘢痕、何が違うのか
両方の傷跡は、皮膚が盛り上がる「盛り上がった傷跡」という共通点があり、見た目は似ています。しかし、発生する原因と進行様相、管理の方向性が異なるため、両者を正確に区別することが適切な管理の第一歩となります。

| 区分 | ケロイド瘢痕 | 肥厚性瘢痕 |
|---|---|---|
| 範囲 | 元の傷の境界を越えて周囲の正常な皮膚まで侵食 | 傷の境界内でのみ厚くなる |
| 時間経過 | 自然に縮小することは難しく、長く持続 | 数ヶ月から約2年で平坦になる傾向 |
| 随伴症状 | かゆみ、痛みを伴うこともある | 比較的症状が少ない |
| 好発部位 | 耳、肩、胸、顎など張力が大きい部位 | 手術、火傷、深い外傷部位 |
| 関連要因 | 家族歴と関連 | 後天的な損傷が主な原因 |

ケロイド瘢痕はなぜより厄介なのか

ケロイド瘢痕は、傷が治る過程でコラーゲンが過剰に生成され、元の傷の範囲を超えて周囲の正常な皮膚まで広がるのが特徴です。時間が経っても自然に縮小することは難しく、むしろかゆみや痛みを伴うこともあります。耳、肩、胸、顎のように皮膚の張力が強くかかる部位にできやすく、家族歴とも関連があると言われています。
一方、肥厚性瘢痕は傷の境界内でのみ厚くなり、数ヶ月から約2年で自然に平坦になる傾向があります。手術、火傷、深い外傷のような後天的な原因で発生することが多いため、手術跡や火傷跡を経験された方に比較的よく見られます。
ケロイドと肥厚性瘢痕は外観が似ていても進行方向が異なるため、傷跡が境界を越えるかどうかが区別の重要な手がかりとなります。
注射治療、硬い傷跡を抑える一翼

ケロイド瘢痕は、一つの方法だけでは十分な改善が期待できない場合が多いです。そのため、最近の皮膚科などの病院では、レーザー治療とステロイド病変内注射を併用する方法が注目されています。ケロイド・肥厚性 傷跡注射は、過剰に増殖したコラーゲン組織を抑制するのに役立ち、傷跡がさらに大きくなるのを抑えながら、硬い質感を柔らかくするのに活用されます。ただし、注射単独では体積を減らすのに役立っても、色調や表面の質感の改善には限界がある場合があります。
注射治療は、過程自体は簡単だと感じられるかもしれませんが、薬剤が傷跡組織に入る間、かなりの痛みを伴うため、長期間繰り返して中断するケースも少なくありません。技術が進歩し、最近では痛みを軽減して施術時の不快感を低減する方法も活用されているため、治療方法を詳しく確認すれば、より快適に受けることができます。

傷跡が硬い、またはかゆみが気になる場合は、自己判断で放置せず、専門医の診察を受けて傷跡のタイプをまず確認することをお勧めします。ご不明な点は傷跡タイプと治療相談でお問い合わせください。
レーザーを併用すると何が変わるのか

注射治療にレーザーを併用する理由は、互いの限界を補完するためです。血管レーザー(Vビームなど)は、傷跡部位の血管反応を調節して赤みを減らし、傷跡がさらに拡大するのを予防するのに役立つレーザーとして知られています。病変内の血流供給を抑制し、コラーゲン過増殖を減らす方向に作用します。
注射で体積を抑制し、レーザーで表面と色調を整えることで、それぞれを単独で使うよりも多角的なアプローチが可能になります。診察室で見ると、同じケロイドでも部位や硬さの程度、赤みの様相が人それぞれ異なるため、組み合わせの比重を変えることが多いです。
傷跡管理で一緒に確認すると良い点をまとめると以下の通りです。
- 傷跡が傷の境界を越えて広がっているか確認する
- かゆみや痛みなどの随伴症状があるか確認する
- 色調(赤み)と表面の質感のどちらがより気になるか区別する
- 家族の中に似たような傷跡の経験があるか思い出す
- 短期的な施術よりも追跡観察が可能な管理計画であるか確認する

継続的な観察が必要な理由
ケロイド瘢痕は再発の可能性があると報告されており、短期的な管理だけで終わらせるのではなく、専門医の判断のもと、継続的な追跡観察と体系的な管理計画を立てることが重要です。手術跡が厚く盛り上がっている場合は、美容整形後の傷跡管理や外科的傷跡修復術のようなアプローチも併せて検討することができ、傷跡の種類と状態によって方向性が異なります。
自己判断するのではなく、皮膚科や形成外科の専門医との相談を通じて、ご自身の傷跡のタイプと状態を正確に確認し、適切な管理計画を立てることをお勧めします。傷跡が長く続いたり、だんだん大きくなっていると感じる場合は、傷跡治療相談チャットでお問い合わせくださいを通じて、まず状態を確認してみてください。

イ・サンジュ代表院長(延世大学校医科大学・大学院医学博士、セブランス病院皮膚科専門医修了、大韓皮膚科学会会長) イ・サンジュ代表院長プロフィール 初回発行 2026-05-21 / 最終検討 2026-06-16
傷跡の進行様相と治療反応には個人差がある場合があり、正確な診断と治療方針は医療スタッフとの相談を通じて決定してください。
