自傷行為で残った傷跡は、単なる皮膚の痕跡を超え、過ぎ去った時間を毎日再び向き合わせる跡となることがあります。辛い時期を経てできた自傷行為による傷跡のために当院を訪れる方が年々増えていますが、診察室で最初に聞かれる質問はほとんど同じです。「この痕跡はレーザーで本当に薄くできますか、そして何回受ければいいですか?」
結論から申し上げると、自傷行為の痕跡はレーザー治療で薄くできると報告されています。ただし、どれくらい改善するかは傷跡の深さと個人差によって異なり、時間を十分に置いて進める忍耐が結果を大きく左右します。
何回治療すれば改善するか
最も多く受ける質問が「何回すれば改善しますか」です。答えは、どのような基準を設けるかによって大きく異なります。単に今より良くなる程度を基準にするなら、3回から5回程度のレーザー治療だけでも傷跡が少しずつ薄くなる変化を確認できます。
しかし、「満足できるレベル」を基準にすると話は変わってきます。満足の基準は人それぞれですが、この場合、少なくとも10回以上の治療が必要なことが多いです。同じ自傷行為の痕跡でも手術傷跡のように線状に残った傷跡は、治療反応が比較的一定しています。
満足の基準を先に決めておく
治療を始める前に「どこまで良くなれば満足するか」を決めておくと、気持ちがずっと楽になります。自傷行為による傷跡治療における満足の基準は、大きく三つに分けられます。
- 第一に、痕跡が完全に消えること
- 第二に、一見して分かりにくいほど薄くなること
- 第三に、少し見えても自傷行為以外の原因でできた傷跡のように見える程度
このうち第一、つまり完全に消えることは現実的に難しい場合が多いです。数十回の治療を経て、ほとんど見えない程度まで改善することもありますが、それ自体を目標にするには負担が大きいです。したがって、現実的な目標は第二または第三であり、個人差はありますが、おおむね10回から20回程度の治療で到達できるレベルだと考えます。傷跡を外科的に整える外科的傷跡修復術やレーザー・修復術複合治療を併せて検討することもあります。
自傷行為による傷跡治療の目標は、「完全に消すこと」ではなく「他人に自傷行為と読み取られないほど自然にすること」に置く方が現実的です。
治療中にかえって目立つことがある
手首をはじめとする自傷行為による傷跡をレーザーで治療する際に、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。治療過程中には、かえって傷跡がより目立つ時期が来ることがあります。レーザー跡、一時的な色の変化、皮膚のへこみのような反応が現れる可能性があるためです。
これらの変化は、おおむね6ヶ月から1年程度が経過すると自然に消失することが多いです。事前に知っておけば、治療途中で心が揺れることなく最後まで進めるのに役立ちます。
ご不明な点があれば、傷跡レーザー治療チャットで質問するを通じてお気軽にご確認ください。
治療期間はどれくらいかかるか
治療回数と同じくらい重要なのが全体の期間です。1ヶ月間隔で10回治療すると仮定すると、治療自体に約1年を要します。これに、最後の治療後一時的に目立っていた変化が落ち着くまでにさらに1年程度かかり、効果が最大化されるまでには合計2年前後の時間が必要です。
| 段階 | おおよその期間 | 特徴 |
|---|---|---|
| 変化を実感し始める | 3回から5回 | 傷跡が少しずつ薄くなる |
| 現実的な目標到達 | 10回から20回 | 自然な傷跡に見えるレベル |
| 治療進行期間 | 約1年 | 1ヶ月間隔基準 |
| 効果最大化まで | 合計2年前後 | 一時的変化が落ち着く期間を含む |
そのため、就職や結婚のように人生の重要な瞬間を控えて治療を検討される場合は、少なくともその3年前には始められる方が、より余裕を持って結果を出せると考えます。
傷跡の深さによって結果が異なります
自傷行為の痕跡は、見た目は似ていても損傷の深さがそれぞれ異なります。皮膚に比較的軽い損傷しか負っていない場合は、傷跡の深さが浅いため治療がうまくいく傾向があります。
逆に、深い損傷で筋肉や靭帯まで一緒に傷ついた場合、または繰り返された自傷行為で傷跡が多すぎる場合は、治療が遅く効果も低下する可能性があります。傷跡が硬く盛り上がったケロイド傷跡の様相であればアプローチ方法が異なるため、診察時に傷跡の状態をまず確認し、治療方針を決定します。
治療後のケアと心構え
治療後のケアは特に難しいものではありません。保湿剤や再生クリームを塗る程度で十分な場合が多いです。
むしろケアよりも重要なのは、気長に待つ心構えです。治療に長い時間がかかるため、焦ると途中で諦めたり、ストレスが大きくなったりしがちです。最初から時間を十分に確保し、ゆとりのある気持ちで進めることをお勧めします。
治療を始める前に確認しておくと良いことをまとめました。
- 完全除去ではなく、自然な傷跡にすることを目指すこと
- 少なくとも10回以上、1年以上の期間を事前に計画すること
- 治療途中で一時的に目立つことがあるという点を受け入れること
- 傷跡の深さと数によって結果が異なる可能性があることを理解すること
- 重要な予定がある場合は、最低3年前の開始を検討すること
自傷行為の痕跡は、時間をかけて根気強く治療することが何よりも重要です。傷跡の状態と治療計画にご不明な点があれば、お気軽に自傷行為による傷跡治療相談を通じてご確認いただくことをお勧めします。
診療・監修 イ・サンジュ代表院長 (皮膚科専門医) 延世スター皮膚科 新村本院の代表院長として2026年大韓皮膚科医師会会長を務めており、延世医科大学皮膚科学教室外来教授として傷跡・色素分野を長年診療してきました。イ・サンジュ代表院長プロフィール 初回発行 2024-08-06 · 最終検討 2026-07-23
本記事は一般的な医学情報案内であり、自傷行為による傷跡の治療反応と回復様相は個人によって差がある場合があります。正確な診断と治療計画は、皮膚科専門医の診察を通じてご確認ください。
