皮膚の上に硬く盛り上がったケロイドの傷跡は、単に見た目が悪いだけでなく、かゆみやズキズキとした不快感を伴うことが少なくありません。注射治療で良くなったと思っても、時間が経つと再び目立つようになる再発を経験すると、「この傷跡は結局なくせないのだろうか」という疑問が最初に浮かぶものです。結論から言うと、ケロイドは一度で消える疾患ではなく、再発の可能性を念頭に置いて最後まで管理する疾患に近いと言えます。
今回は、ケロイドの傷跡がなぜ再発しやすいのか、そして再発を減らすためにどのような治療原則が重要なのかを順を追って整理していきたいと思います。
ケロイドはなぜ再発を繰り返すのか
ケロイドは再発が多い難治性皮膚疾患に属します。最大の理由は、正確な発生原因がまだ明確に究明されていない点にあります。
通常、疾患は根本原因が分かれば治療方針も明確になりますが、ケロイドのように原因を特定しにくい場合は、完全に除去することが難しいと報告されています。だからといって放置すると、時間が経つにつれて大きくなり、治療はさらに難しくなるため、早期にアプローチする方が有利です。
治療を開始すると、初期からケロイドの盛り上がった部分が低くなり、大きさも縮小する変化が現れます。同様の悩みをお持ちの方は、ケロイド傷跡の特徴と治療方針も合わせてご覧になることをお勧めします。
赤みが残っているなら、まだ終わっていません
治療を繰り返してケロイドの大きさが縮小し、平らになったとしても、赤みはしばらくそのまま残ることが多いです。
この時、良くなったと思って性急に治療を止めると、ほとんどの場合、再び目立つようになります。ケロイド傷跡除去で最も重要な原則は、盛り上がった高さだけでなく、赤みが引くまで十分に治療を続ける必要があるという点です。
診察室では、高さが低くなった時点で治療を中断し、再発して再び来院される方が少なくありません。赤みが残っている場合は、まだ活動性があると判断する方が安全です。
赤みが消え、高さも低くなったのであれば一段落ですが、その後も再発の有無を注意深く見守る姿勢が必要です。もし再び盛り上がったり赤くなる兆候が見られたら、可能な限り迅速に対応する方が良いでしょう。
注射だけでは不十分な理由
ケロイドの代表的な治療法としては、ステロイド注射が広く知られています。
そのためか、ケロイド・肥厚性 傷跡注射だけを受けたいとおっしゃる方もいらっしゃいます。ただし、当院ではケロイド傷跡除去の際、可能であれば注射とレーザー治療を併用する方法をお勧めしています。
その理由は、注射単独治療よりもレーザーを併用した場合の方が治療成功率が高く、再発率も低くなることが報告されているからです。ケロイドは過剰に生成されたコラーゲンが皮膚に蓄積して発生しますが、すでに蓄積されたコラーゲンを溶かす役割をステロイド注射が担います。
ご不明な点がございましたら、ケロイド治療方法関連チャット相談でお問い合わせくださいからお気軽にお問い合わせください。
核心はコラーゲンの原料、血管です
ケロイド傷跡除去で、もう一つ重要な部分が血管です。
コラーゲンを過剰に作るには、より多くの酸素と栄養分が必要です。そのため、ケロイド付近では血管が異常に拡張・増殖し、このためケロイドの傷跡が赤く見えるのです。
したがって、コラーゲンの原料となる血管を遮断することも重要であり、この役割を血管レーザーが担います。すでに作られたコラーゲンはステロイド注射で溶かし、新しいコラーゲンがこれ以上作られないように血管レーザーで血管を遮断する併用治療が、成功率を高め、再発率を低くする方向となります。
両治療の役割をまとめると、次の表のようになります。
| 治療 | 主な役割 | 目標 |
|---|---|---|
| ステロイド注射 | すでに蓄積されたコラーゲンを溶かす | 高さを低くし、大きさを縮小する |
| 血管レーザー | コラーゲンの原料となる血管を遮断 | 赤み緩和、再生成抑制 |
シリコンゲルだけで治まるのか
ケロイド注射の経験がある方は、再発時に皮膚科治療が負担になったり怖かったりして、比較的痛みや費用負担が少ないシリコンゲルで解決できないかと尋ねられることがあります。
シリコンゲルは傷の治癒と症状緩和に役立つとされており、この点には私も同意します。
ケロイドにもシリコンゲルが役立つという研究結果はありますが、当院の臨床経験から見ると、実際には大きな助けにはならないと考えています。正確な理由は分かりにくいですが、ケロイドの傷跡が一般的な傷の治癒とは異なるメカニズムで進行するためと推測しています。
再発を減らすために覚えておくこと
ケロイドの傷跡を管理する際に役立つ点をまとめます。
- 高さが低くなっても赤みが残っている場合は、治療を最後まで続ける
- 良くなったと感じても性急に中断しない
- 注射単独よりも血管レーザーを併用する方向を考慮する
- 再発の兆候(再び盛り上がったり赤くなる)が見られたら、迅速に対応する
- かゆみや痛みが伴う場合は放置せず、診察相談を受ける
他に気になる跡がある場合は、整形手術後に残った傷跡ケアや手術傷跡治療方針も参考にすると良いでしょう。
最後に
本日は、ケロイド傷跡除去における重要な治療原則とシリコンゲルについてまとめました。治療を受けたのに再び再発した経験がある方や、放置しているうちにどんどん大きくなり、かゆみや痛みが伴う場合は、レーザーと注射治療を併用する方向で診察を受けてみることをお勧めします。
さらにご不明な点がございましたら、ケロイド傷跡相談チャットでお問い合わせくださいからお気軽にお問い合わせください。
イ・サンジュ代表院長は、延世スター皮膚科 新村本院の代表院長であり、皮膚科専門医として長年、傷跡・色素分野の診療に携わってきました。2026年には大韓皮膚科医師会会長および延世医科大学皮膚科学教室外来教授としても活動しています。 イ・サンジュ代表院長プロフィールを見る 初回発行 2024-07-25 / 最終検討 2026年7月23日
本記事は一般的な情報案内であり、ケロイドの治療反応と経過には個人差がある場合があります。正確な診断と治療方針は、皮膚科専門医の診察でご確認ください。
