甲状腺手術を受けると、首の下側に横に残る傷跡で悩む方が多くいらっしゃいます。切開部位が服で隠れない位置なので、他人の目に付きやすいためです。最も多く受ける質問は「この傷跡は完全に消えますか」です。正直に申し上げると、傷跡を痕跡一つなく消すことは難しいですが、時期に合わせて予防し管理すれば、正常な肌に近く薄くなるように回復させることができます。
なぜ首の傷跡は特に目立つのか
甲状腺手術は首の下側を横に切開するため、傷跡が一直線に残ります。首は顔に比べて動きが多い部位なので、回復過程で傷跡が赤くなったり膨らんだりすることがよくあります。
シワが少ない若い年齢では、傷跡を隠すラインが不足しているため、かえって目立って見えることもあります。一部の手術では切開線を首のシワの方向と合わせることもありますが、ケースによってはそうすることが難しい場合もあり、シワとは無関係に傷跡が残ることもあります。
首は動きが多い部位なので、肥厚性傷跡やケロイドにつながる可能性があり、特にケロイド体質の場合、膨らむ様相が報告されます。
傷跡治療、いつ始めるのが良いか
手術後の傷跡は、可能であれば早く管理を始める方が有利です。通常、抜糸後1~2週間が経過した時点から予防治療を始めるのが良い時期とされています。
すでに手術傷跡の形で定着している場合でも、管理を諦める必要はありませんが、初期に始めるのと比較すると、時間と労力がよりかかる可能性があるという点は、あらかじめ知っておくと良いでしょう。
甲状腺傷跡を予防する三つの方法
診察室で見ると、予防方法を一つだけと考えている方が多いですが、実際には段階と状態によって組み合わせが変わります。大きく三つに整理されます。
- 軟膏とパッチ: シリコン成分のパッチや玉ねぎ抽出物軟膏を塗ると役立ちます。ただし、軟膏単独だけでは十分な効果を期待するのは難しいです。
- レーザー治療: 甲状腺手術後の傷跡予防効果が50%以上とされており、日常生活に大きな支障なく受けることができます。
- 注射治療: 傷が早く治らない場合や傷跡が膨らむ場合、レーザーと併用することもあります。
この中でどの組み合わせが合うかは、傷跡の状態と体質によって異なるため、開始前に状態を確認する過程が必要です。ご自身に合った方向が気になる場合は、甲状腺傷跡治療に関するチャット相談でお問い合わせくださいをご利用ください。
膨らむ傷跡ならさらに注意
甲状腺傷跡がケロイド傷跡までいかなくても、肥厚性傷跡として残る可能性があります。手術部位が徐々に膨らむようであれば、そのまま放置せず、早めに病院で状態を確認してもらう方が良いでしょう。
このような場合には、膨らんだ傷跡にケロイド・肥厚性 傷跡注射を併用し、進行様相を和らげる方法を検討することもあります。進行程度と体質によってアプローチが異なるため、単独判断よりも相談が推奨されます。
再手術とレーザー、どちらが良いか
すでに残った甲状腺傷跡を改善する方法としては、同じ部位を再び切開する再手術とレーザー治療があります。二つの方法の違いを簡単に比較すると以下の通りです。
| 方法 | 特徴 | 考慮点 |
|---|---|---|
| 再手術 | 傷跡部位を再び切開 | 体質の影響が大きく、改善幅が小さい場合がある |
| レーザー治療 | 切開なしで傷跡を緩和 | 日常生活への支障が少なく、体質傷跡に比較的適している |
| 癒着剥離 | 癒着を解消する手術 | 癒着がひどい稀なケースに限定 |
甲状腺傷跡は体質が大きく作用するため、再手術しても改善効果が限定的である場合があります。そのため、再手術よりもレーザー治療がより適している場合が多いです。ただし、癒着がひどい一部のケースでは、外科的傷跡修復術のように癒着を解消するアプローチが必要となる場合があります。
古い傷跡も遅くありません
手術から時間が経った甲状腺傷跡も治療が可能です。初期に始めるよりも時間と労力が必要ですが、適切な方法で管理すれば、今よりも一層緩和された姿に回復することができます。
治療前に以下の事項を一緒に覚えておくと良いでしょう。
- 傷跡が痕跡なく完全に消えることは難しい場合があります。
- 正常な肌と最大限類似するように近づくことを目標とします。
- 期待効果は現実的に設定する方が気持ちが楽です。
- 一度だけでなく、継続的な管理が回復に役立ちます。
古い傷跡も方向をしっかり定めれば十分に変わることができますので、一人で悩みを抱え込まず、状態を点検してもらうことをお勧めします。気になる点は傷跡の状態点検チャット相談でお問い合わせくださいで気軽にお尋ねください。
首に残った整形傷跡や手術傷跡は、時期と方法をどのように選択するかによって結果に大きな差が出ます。傷跡が完全に消えなくても、始めるだけでも今より良くなる余地が十分にあるということを覚えておいていただければ幸いです。
イ・サンジュ代表院長 (延世大学校医科大学・大学院医学博士、セブランス病院皮膚科専門医修了、大韓皮膚科学会会長) イ・サンジュ代表院長プロフィール 初回発行 2023-12-26 / 最終検討 2026-06-16
傷跡の回復様相は体質と部位によって個人差がありますので、正確な診断と治療方向は医療陣との相談を通じてご確認ください。
