小さなほくろ一つを除去することだと軽く考えていたら、跡が長く残って戸惑う方が少なくありません。ほくろは表皮や真皮層にできた良性皮膚腫瘍の一種であるため、除去過程である程度の跡が伴うことがあります。では、ほくろを除去した跡に傷跡が残る理由は何であり、どのようにすればその痕跡を減らすことができるでしょうか。
この記事では、ほくろ除去後に傷跡ができる原因と特徴、そして治療と予防の方向性を順に整理します。
ほくろを除去すると、なぜ跡が残るのか
ほくろを除去するということは、皮膚にできた不要な細胞の塊を取り除く過程です。そのため、程度の差はあっても、ある程度の痕跡が残る可能性があると考えるのが現実的です。跡がどれくらい残るかは、ほくろの大きさや深さ、そして皮膚の再生力によって異なります。

皮膚の再生力は体質、つまり遺伝的な影響を受けるため、同じ施術を受けても結果は人によって異なる場合があります。

傷跡を大きくする要因
体質以外にも、傷跡が残るには様々な要因が複合的に作用します。レーザー病変除去 (ほくろ・いぼ)に用いられる機器の性能、施術者の経験とノウハウが結果を大きく左右します。大きなほくろを一度に無理に除去したり、周辺の正常な皮膚組織が損傷した場合にも、跡が深く残ることがあります。

事後管理が適切に行われなかった場合にも、痕跡が残ることに影響を与えます。まとめると、傷跡に関与する要因は以下の通りです。
- ほくろの大きさや深さ
- 個人の皮膚再生力(体質、遺伝)
- 使用されたレーザー機器の性能
- 施術者の経験と施術強度
- 施術後の管理状態

赤い跡、いつ消えるのか
サイズが大きいほくろほど、跡も大きく残らざるを得ません。ほくろを除去した後にできる赤い跡は、通常6ヶ月から1年程度で薄くなる経過をたどります。ただし、深く除去された部位や複数回除去した部位、そして再生反応が例外的な皮膚を持つ方は、経過が異なることがあります。

このような場合、ほくろを除去した跡の赤い跡が長く残ることもあります。除去後数ヶ月が経過しても色素沈着や傷跡が目立つ場合は、以下のような形で区別することができます。

ほくろ除去後の傷跡の3つの形態
残った傷跡は大きく分けて3つの形態で現れます。
| 形態 | 様子 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 赤く盛り上がった傷跡 | 赤みを帯びて盛り上がる | 過度な再生反応 |
| 白く盛り上がった傷跡 | 時間が経つと白く変化して盛り上がる | 赤い傷跡が沈静化せずに硬くなる |
| へこんだ傷跡 | 穴が開いたように陥没 | 再生が不足している |
赤みを帯びて盛り上がった傷跡は、レーザーで皮膚が大きく破壊された際に、皮膚がそれに対する反応として再生を過度に行う傾向から生じます。過度に再生された組織が皮膚の上に盛り上がり、その組織を維持するために血管も一緒に増えることで赤みを帯びます。時間が経つと色は白く変化しますが、盛り上がった部分自体は沈静化しない場合があります。白く盛り上がった傷跡は、このようにして形成されます。
穴が開いたようにへこんだ傷跡は、同じレーザー刺激から始まるものの、再生が非常に遅い場合です。レーザーで皮膚を過度に除去すると、再生が過剰に起こって赤く盛り上がるか、逆に再生が不足して深くへこむかの2つのパターンに分かれます。この違いは、通常、部位と個人の再生力、そしてレーザー治療の強度に影響されます。
傷跡は、毛包や汗腺のような正常な皮膚付属器が消失した部分を、異常に配列されたコラーゲンが置き換えた状態です。ほくろを除去した跡の傷跡も、他の原因でできた傷跡と本質は同じです。

ご不明な点はほくろの傷跡に関するチャット相談でお問い合わせください

すでに残ってしまった傷跡はどのように治療するのか
ほくろを除去した跡の傷跡も、他の傷跡と同じ原理でアプローチします。過度に再生されたコラーゲンを分解するように外科的傷跡修復術で刺激を与えたり、ケロイド・肥厚性 傷跡注射のような方法で盛り上がった組織を柔らかく溶かす治療を併用します。盛り上がった丘疹性・ケロイド特殊治療のように、形態によってアプローチが異なるため、傷跡の形状を正確に見て方向性を決めることが重要です。

傷跡を減らす第一歩、欲張らないこと
ほくろを除去した後に大きな傷跡を残さないためには、何よりも一度に欲張らない姿勢が重要です。一度に無理に除去しようとすると、皮膚を深く破壊しすぎてしまい、その分跡も大きく残ります。大きなほくろであれば、複数回に分けて安全に除去する方が結果的に有利です。

診察室では、機器の違いを意外と知らないで来院される方が多いです。ほくろは通常、炭酸ガスレーザーで除去しますが、同じ炭酸ガスレーザーでも照射時間によって性能差があります。照射時間が短い機器は、ほくろを除去する瞬間に周辺皮膚への損傷を最小限に抑えることができます。そのため、同じ医師が施術しても、機器によって跡が残りにくいことがあります。
施術後の管理、かさぶたを守りましょう
3番目に重要なのは、事後管理です。ほくろを除去するとかさぶたができますが、かさぶたは私たちの皮膚の自然な防御膜です。かさぶたが長く付着しているほど、その下で新しい皮膚がきれいに再生されます。かさぶたができると傷跡が残るという話は根拠がないと考えてよいでしょう。回復期には、以下を守るのが良いでしょう。
- 初期再生期である約1ヶ月間は、かさぶたを無理に剥がさないこと
- 高温のチムジルバン、サウナ、垢すりを避けること
- 刺激の強い化粧品の使用を控えること
- 屋外活動時には日焼け止めを塗ること
紫外線については、医師によって意見が少し分かれます。都市で主に室内生活を送る方であれば、ほくろを除去した後に紫外線をそれほど気にする必要はありませんが、屋外活動が多い場合は、日焼け止めなどで紫外線を遮断する方が良いでしょう。

最後に
ほくろを除去した跡に大きな傷跡を残さないためには、施術と同様にきめ細やかな管理が必要です。何よりも、ほくろを除去する前に、ほくろの種類と深さ、大きさを正確に診断し、治療計画を立てる過程が重要です。すでに跡が残ってしまった場合でも、形態に合った治療方針がありますので、あまり心配する必要はありません。
少しでも気になることがあれば、ほくろの傷跡相談をチャットで問い合わせるを通じてお気軽にご質問ください。お読みいただきありがとうございます。

イ・サンジュ代表院長(延世大学校医科大学・大学院医学博士、セブランス病院皮膚科専門医修了、大韓皮膚科学会会長) イ・サンジュ代表院長プロフィール 初回発行 2024-05-24 / 最終検討 2026-06-16 ほくろの傷跡の経過と治療反応は個人の皮膚状態によって差があるため、正確な診断と治療方針は皮膚科専門医との相談を通じて決定してください。
