傷跡と聞くと、通常は皮膚がへこんだり、黒ずんだ跡が残る様子を思い浮かべます。しかし、逆に皮膚の上に盛り上がる傷跡もあります。このように盛り上がった傷跡は、目立つだけでなく、かゆみやズキズキする痛みを伴うこともあり、日常生活の不便につながることがよくあります。初めてこのような傷跡を発見した方が最初に疑問に思うのは、「これは自然に治まるのか、それとも治療を受けるべきなのか」ということです。
結論から言うと、盛り上がった傷跡は種類によって経過が大きく異なります。どのような傷跡なのかを区別することが治療の出発点となります。
盛り上がった傷跡は、肥厚性瘢痕とケロイドに分けられます

皮膚の上に盛り上がった傷跡は、大きく肥厚性瘢痕とケロイドの2つに分けられます。どちらも盛り上がった形なので似て見えますが、成長する範囲と経過に明確な違いがあります。
| 区分 | 肥厚性瘢痕 | ケロイド |
|---|---|---|
| 成長する範囲 | 元の傷部位内に留まる | 傷の境界を越えてより広く拡大 |
| 時間経過 | 時間が経つにつれて少しずつ治まる傾向 | 自然に治まりにくく持続 |
| 再発 | 比較的低い方 | 再発が多い難治性 |
肥厚性瘢痕は、傷ができた場所にのみ限定して盛り上がり、時間が経つにつれて徐々に落ち着くことが多いです。一方、ケロイドは元の傷の大きさよりも広く広がり、治療後も再発することが多いため、厄介な傷跡に分類されます。ケロイドの特性と好発部位は、ケロイドの原因と特徴情報でさらに詳しく見ることができます。
盛り上がった傷跡、どのように治療するか

盛り上がった傷跡は、塗る軟膏や外用薬だけでは変化を期待しにくいです。傷跡組織がすでに厚く形成されているため、皮膚科では様々な治療を状況に合わせて併用します。

代表的に活用される治療方針は以下の通りです。
- ステロイド注射:炎症を鎮め、線維細胞の増殖を抑制して傷跡組織を柔らかくします。肥厚性瘢痕とケロイドの両方に使用され、特にケロイド・肥厚性 傷跡注射治療で核となる方法です。
- フラクショナルレーザー:CO2レーザー、ウルトラパルスアンコールなどで傷跡表面を整え、組織再生を誘導します。注射治療と併用すると効果が高まることが報告されています。
- 赤み治療:Vビームプリマレーザーなどで赤い傷跡の色を緩和し、傷跡内の血管を減らすのに役立ちます。
- シリコンゲルシート:刺激なく傷跡を柔らかく管理する補助手段で、長期間継続して使用することで変化を期待できます。
傷跡組織を直接整え、表面を滑らかにするリポットレーザーや、傷跡を切除した後に再縫合する外科的傷跡修復術のような方法も、傷跡の性質と部位によって一緒に考慮されます。
ご不明な点は盛り上がった傷跡治療に関するチャット相談でお問い合わせくださいを通じてお気軽にお寄せください。
ケロイド治療が難しい理由

ケロイドは傷跡が大きくなることだけが問題ではありません。治療後も簡単に再発する可能性がある点が最大の難関です。皮膚が刺激に敏感な体質の場合、耳、肩、胸の中央などケロイドができやすい部位がありますが、このような場所に過度なレーザーや物理的刺激が加わると、かえって大きなケロイドを引き起こすこともあります。

ケロイドは一度でなくすよりも、段階的にゆっくりと治療する傷跡です。このため、段階的な治療計画と熟練した皮膚科専門医の診断、処方が重要です。
診察室では、刺激を減らす慎重なアプローチが、結局再発リスクを低減する最も確かな基盤となることがわかります。
ケロイド治療時の注意点

ケロイドはレーザー治療だけでは期待通りの変化を見るのが難しい場合があります。ステロイド注射とレーザー治療を併用することで、より良い結果につながることが多いです。2つの治療の作用方式が異なるためです。
- 注射治療で線維組織の増殖を抑制します。
- レーザー治療で皮膚表面と色素を改善します。
- それぞれ単独で使うよりも併用することで相乗効果を期待できます。
- 紫外線対策を徹底し、色素沈着を減らします。

治療期間中は傷跡部位を圧迫して管理し、必要に応じてシリコンゲルシートを併用すると、レーザー治療との相乗効果を期待できます。日常生活での小さなケアが治療効果を助けることになります。

傷跡、美容問題を超えた悩み

盛り上がった傷跡は、見た目が気になるだけでなく、再発の可能性、痛み、感覚異常などの不快感を伴うことがあります。特にケロイドは、一般的な傷跡とは異なるアプローチが必要なため、専門医による正確な診断と体系的な治療が重要です。手術跡が厚く残っている場合は、整形傷跡の回復方向も一緒に確認すると役立ちます。

傷跡は放置するほど治療が難しくなります。変化を感じたら、先延ばしにせず、早期に治療方針を立てて継続的に管理することが最も確かな選択です。

自分の傷跡が肥厚性瘢痕なのかケロイドなのか、どのような治療をいつ始めれば良いのか迷っているなら、一人で悩まずにご相談ください。
💬 今すぐ相談するイ・サンジュ代表院長 (延世大学校医科大学・大学院医学博士、セブランス病院皮膚科専門医修了、大韓皮膚科学会会長) イ・サンジュ代表院長プロフィール 初回発行 2025-06-25 / 最終検討 2026-06-16
傷跡の種類と経過は個人の体質や部位によって差がある場合がありますので、正確な診断と治療方針は医療スタッフとの相談を通じて決定してください。
