手術を終えて回復する過程で最も気になる部分の一つが、切開部位に残る傷跡です。腹腔鏡手術を受ければ傷跡が全く残らないと思われる方が多いですが、小さくても傷跡はできる可能性があり、その様相によって管理方法が異なります。
以前は胃がんや大腸がんなどで手術をするには、長く線状に傷跡が残る開腹手術以外に選択肢がほとんどありませんでした。最近では切開部位を1~2cm程度に最小限に抑える腹腔鏡手術が普及し、手術後の傷跡に対する負担が以前より大きく減りました。
腹腔鏡手術をしても傷跡は残りますか
腹腔鏡手術をしたからといって、傷跡が完全にできないわけではありません。切開範囲が小さいだけで、皮膚を切開して縫合する過程自体は同じだからです。
実際に腹腔鏡手術部位は、以下のような形で残る場合があります。
- 手術部位が赤く盛り上がっている肥厚性傷跡
- 皮膚が内側に陥没している陥没傷跡
- 短い直線状に残っている線状傷跡
- 色素が沈着して周囲より暗く見える傷跡
このような変化が現れると、腹腔鏡手術部位の傷跡をどのように管理し治療すべきか質問される方が多くいらっしゃいます。
手術直後、傷跡を減らす初期管理法
傷跡はできてから治療するよりも、治癒段階からしっかり管理する方が結果に有利であると報告されています。診察室で見ると、初期管理を丁寧に行うだけでも最終的な傷跡の印象が変わるケースが多くあります。
手術直後に試せる基本的な管理は以下の通りです。
- 抜糸後、抗生剤軟膏を塗るか、デュオダームのような湿潤バンドを3~5日程度貼ってしっかり治癒させます
- 手術部位に水が触れると悪化する可能性があるため、シャワーは抜糸後2~3日経ってから防水バンドを貼った状態で行います
- 縫合部位が引っ張られないように、無理な動作や過度なストレッチを避けます
- 傷跡部位が紫外線に直接露出しないように覆うか、遮断します
このような初期管理は、傷跡を必ずなくす方法ではありませんが、傷跡が厚くなったり色素が濃くなる程度を減らすのに役立ちます。
本格的な傷跡治療はいつ、どのように行いますか
基本的な管理だけですべての傷跡が薄くなるわけではありません。赤みが長引いたり、傷跡が厚く盛り上がってくる場合には、積極的な治療を検討することになります。
傷跡治療は様相と時期に合わせてアプローチする必要があり、一つの方法ですべての傷跡を解決することは困難です。
比較的確実に腹腔鏡手術部位の傷跡を予防し減らす方法としては、抜糸後2週間後から血管レーザーであるVビームプリマ治療と傷跡注射治療を様相に合わせて併用する方法があります。赤みが目立つ傷跡には赤い傷跡を狙ったレーザー治療を、厚く盛り上がった肥厚性傷跡やケロイド傾向には傷跡注射治療を併せて検討することができます。
ご不明な点は腹腔鏡傷跡治療に関するチャット相談でお問い合わせくださいを通じてお気軽にお寄せください。
傷跡ができやすい体質なら早期治療が重要です
ご自身が普段から傷跡が残りやすい、またはケロイド傾向がある体質である場合は、手術後できるだけ早期に傷跡治療を開始することをお勧めします。傷跡が定着する前の段階で介入する方が、管理の側面で有利であると報告されているためです。
すでに傷跡ができた後でも、手遅れだと決めつける必要はありません。腹腔鏡手術部位の傷跡は比較的小さな手術傷跡に属するため、時間が経った傷跡でもレーザーと注射治療を併用すれば、満足のいく変化が期待できると報告されています。結果には個人差がある場合があります。
傷跡の様相によって異なる治療方向
腹腔鏡手術部位の傷跡は、色と形によって優先順位を置く治療が異なります。下記の表は、様相別のアプローチを単純化してまとめたものです。
| 傷跡様相 | 主な悩み | 検討する治療方向 |
|---|---|---|
| 赤い線状傷跡 | 色が長く残る | 血管レーザー中心 |
| 肥厚性、ケロイド傾向 | 厚く盛り上がる | 傷跡注射併用 |
| 陥没傷跡 | 皮膚がへこむ | 再生、修復中心の治療 |
表は一般的な方向性を示すものであり、実際の治療計画は傷跡の深さや皮膚の状態を直接確認した上で決定されます。
傷跡治療、どこで相談すべきですか
傷跡は同じ部位でも人によって様相や回復速度が異なります。そのため、腹腔鏡手術部位の傷跡治療経験が豊富な皮膚科専門医に相談されることをお勧めします。
新村 延世スター皮膚科は、20年以上にわたり傷跡治療を行ってきており、様々な手術傷跡の症例を扱ってきた経験に基づき、傷跡の様相と個人の皮膚体質に合わせた診療をお手伝いいたします。
腹腔鏡手術後に残った傷跡でお悩みでしたら、ご自身で判断するよりも、診療を通じて現在の状態を確認されることをお勧めします。詳細については傷跡相談チャットでお問い合わせくださいをご利用ください。
イ・サンジュ代表院長 (延世大学校医科大学・大学院医学博士、セブランス病院皮膚科専門医修了、大韓皮膚科学会会長) イ・サンジュ代表院長プロフィール 初回発行 2024-01-24 / 最終検討 2026-06-16 本内容は一般的な情報提供のためのものであり、効果と回復様相には個人差があり、正確な診断と治療方向は医療陣との相談を通じてご確認ください。
